【入門】不動産投資の基礎知識とその仕組み

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投資の中でも、今回は不動産投資のお話です。 投資信託やCFDなどでは、不動産そのものを出資者が購入しているわけではないので、不動産投資そのものの知識がなくてもよいように思うかもしれませんが、そんなことはありません。

投資で正確な判断、というか儲けられる判断をするるには、商品の性質には敏感になる必要があります。 不動産投資に興味がある人のみならず、投資信託やCFDで不動産系の商品を狙う方は、本ページをチェックしていってください。

不動産投資って、高額な投資なんだけど、なんで収益が出るの?

まずは、不動産投資そのものに興味がない初心者向けに、基礎知識と絡めて、失敗せずに収益を得る方法を、わかりやすくチェックします。

不動産投資ならではの、物件の特徴や種類、不動産投資ローンについても基礎知識をチェックです。

不動産投資の予習ポイント

  • 不動産投資の収益は売買差益受取利子・配当に分けられる
  • 理想的な不動産投資の利回りは7%(最低でも3%以上)
  • インターネット・不動産会社・競売物件から投資物件を探せ!

不動産投資でどうして儲ける?基礎知識とその仕組みをチェック!

不動産投資で知っておくべき知識と、その利益の仕組みについて、チェックしていきます。

不動産投資と他の投資方法との違いをチェック

不動産投資を考える人の多くは、投資信託、株式投資やFXなどにも興味があったり、すでに経験者だったりすると思います。

投資信託、株式やFXと比較して、不動産投資の決定的な違いは、現物投資になるという点です。 株式の場合は、企業が倒産したり解散したりすれば紙くずになります。 通貨価値の暴落すれば、FXでは自分の資産が水泡になってしまう可能性もあります。 不動産の場合は、火山の噴火など、大災害で不動産が消滅でもしない限りは、不動産の資産はなくなりません。 あるいみ、現物ゆえの強さがある、価値が極めてゼロになりにくい資産です。

現物投資には、不動産以外では時計高級車などの宝飾品があります。 それらの多くは、売却益である売買差益(キャピタルゲイン)で利益を生み出します(安く買って高く売るということ)。

不動産の場合は所有し続けつつ、収益を得られる受取利子・配当(インカムゲイン)が見込め点が、他の現物投資とは少し違います。

他の投資方法と比較する際には、受取利子・配当(インカムゲイン)と売買差益(キャピタルゲイン)のどちらに比重を置きたいか、受取利子・配当(インカムゲイン)も欲しいのであれば有形資産と無形資産のどちらがいいかで考えていくことをおすすめします。

資産
有形資産建物、建築付属設備、建築物、車両運搬具、工具、器具備品、機械装置
無形資産特許権、実用新案権、商標権、営業権、水利権、ソフトウェアなど

不動産投資で収益はどうやって出すか?

売買差益(キャピタルゲイン)

不動産を購入価格より高く売却し、その差額分の利益のことを、売買差益(キャピタルゲイン)と呼びます。 株式・証券で使うキャピタルゲインと同じ意味です。

例えば、3,000万円で購入した不動産物件を4,000万円で売却できれば、1,000万円の「売買差益(キャピタルゲイン)」となります。
逆に、3,000万円で購入した物件が2,500万円で売却するしかないような場合は、「キャピタルロス(売買損失)」になります。

受取利子・配当(インカムゲイン)

不動産を保有したままで得られる収益のことを受取利子・配当(インカムゲイン)と呼んでいます。

株式の場合なら、配当や優待のことになります。

不動産の場合は、不動産のオーナーとなり物件を保持・管理し、第三者に貸し出して家賃収入**を得る場合は、インカムゲインを得ていることになります。

不動産のオーナーとして得る収入の受取利子・配当(インカムゲイン)の内訳

支払いタイミング費用項目目安
毎月
家賃物件次第
共益費家賃の5~10%程度
随時
礼金家賃の1~2ヵ月分
更新料家賃の1~2ヵ月分

不動産投資で得られるインカムゲインの大部分は家賃収入になります。

また、毎月エレベーターや共用灯、駐車場などの維持費として、家賃の一部で徴収する共益費も、インカムゲインの一部、つまり収益となります。

賃貸契約を交わした際に礼金(初期費用として入居者から支払われる謝礼金)は、原則として入居者に返還する必要はありません

不動産投資物件の種類をチェック!

不動産投資は、まず投資物件について知らなければ何も始まりません。 その種類と特徴をチェックしていきます。

ワンルーム・マンション投資

海外の小金持ちが常用する手法です。 分譲マンションなどの一室のみを購入して、第三者に賃貸することで収益を出します。マンションの一室だけを購入するだけですので、投資資金はマンション一等建築することに比べれば、相当少額で済んでしまいます。

この手法の良い点は、一地域に集中投資せず、さまざまな地域で物件を保有し、資産運用することができる点が挙げられます。地価暴落などのリスクヘッジにもなります。

逆に、デメリットもあります。一室単位であるため、空室が出れば、次の入居者が決まるまでは無収入で維持費だけを支払うことになります。 また、この投資が上手く進み、隣の一室を購入したいとしても、そううまく手に入るとは限りません。事業規模を拡大させるときは、物件探しなどに時間がかかり、投資効率が悪いことも欠点の一つです。

アパート・マンション一棟にまるごと投資

小規模のマンションやアパート、商業ビルなどを一棟丸ごと購入してしまう投資手法です。

一室ごとに、一テナントごとに賃貸して運用します。 一棟丸ごとに投資するため、初期投資資金が普通は億単位になります。 このことは欠点とも言えますが、一度の投資で大きな資産を得ることにもなり、投資効率にとても優れ、収益化も早くなります。

この手法の最大の欠点は、一室の投資と違い、分散投資にならない点です。 たとえば、震災や災害などの被害にあったときの被害額は、人生を変えてしまうほどの痛手になりえます。そのため、保険等の組み合わせでうまく運用する必要があり、安全策をとればとるほど、収益率は悪化します。

いずれにせよ、投資資金の大きさから、投資信託の不動産系を購入するだけの人や、不動産投資の初心者は知識だけ得ておく程度で十分です。

一戸建て投資

一戸建てを購入して、賃貸する運用手法です。 中古で一戸建てを購入するのが、大多数の戸建て不動産投資家の手法です。

なぜ、中古を狙うかといえば、中古の戸建て住宅は、地域や築年数によっては500万円もあれば所有できることが多いからです。

株式や投資信託でも、まともな運用益を出そうとすればその程度の資金は必要ですので、比較的安定した不動産投資としては、少ない資金でスタートできるからです。
中古不動産の購入は、最低限のリフォームは必要です。手を抜けば借主が見つからなかったりと、少々のコツはありますが、初期投資額が少なく済むのは最大のメリットというます。

地域の需要などを、しっかり見極めたうえで投資を行わなければ、空室期間が長くなり、収益化できないので注意も必要です。

シェアハウスや民泊を始める

近年話題となっている賃貸物件はシェアハウスです。

私個人の私的な意見ですが、シェアハウスや民泊は短期投資にしかならないと考えています。というのも、法整備が甘く、不法行為化できる抜け道がありすぎて、正規の旅館やホテルが不当な不利益を被る可能性が高すぎるからです。正規の旅館業の方を規制緩和すれば、顧客奪いが場外乱闘化しますので、シェアハウスや民泊を規制強化する方向に向かうのではと思います。

シェアハウスでは3LDK、4LDKの家族住宅に、複数名の借主が共同生活します。 一戸のマンションや戸建てを保有すれば、3名、4名と複数の借主からの家賃収入が入ることになります。

民泊の方は、マンションや戸建住宅を、ホテルや旅館のように一時的な宿泊施設として賃貸運用します。 家賃ではなくて、実態は宿泊費ですので、宿泊客が宿泊日数に応じて代金を支払います。 不動産に詳しい人は、この部分に引っ掛かりを感じると思いますが、その通りです。

日本国内では、まだ事件化していませんが、海外ではテロ組織の潜伏場所、爆弾製造所などの犯罪に使われるケースが目立ちます。日替わりの宿泊客を厳格に管理することは、日本人オーナーにとってはかなり苦痛で、またとても苦手なことを踏まえたうえで、この潜在的リスクから目をそむけないようにしましょう。特に、外国人とのトラブルは泣き寝入りになることが多いことも知っておくべきです(だまって帰国されると手の施しようがありません)。

地域によっては、都市条例が定められていたりや旅館業の許可が必要だったりとするので、その地域の規則を確認することが重要です。 当然ですが、宿泊後には施設の清掃を行う必要があります。

土地をそのまま賃貸する

保有している土地のみを賃貸して運用します(底地投資)。

具体的には、コンビニ事業用、商業施設用として賃貸することになります。 土地には改修費などがさほどかからないといえるため、維持費用がおさえられるのが良い点です。

底地には借地借家法の新法が適用されるケースと、旧法が適用されるケースがあります。平成4年以前の契約は原則は旧法に従いますので、不動産オーナーにとっては不利になります(土地が返ってこなくなる)。

いずれにせよ、投資信託などではこの部分の知識はさほど必要ではありませんので、さらっと流して読んでください。

建物(借地権付き物件)賃貸投資

建物の所有することが目的の場合、その建物がある土地を借りて行う投資手法(借地権投資)です。

土地を所有するのではなく、その借地権を購入するため、所有権の3~4割ほど価格を目安に手に入れることができます。 固定資産税などの税金が不要になるため、投資手法としては手堅い方法になります。 少額から投資を開始するでき、旧借地借家法が適用の土地であれば、長期運用も可能といえます。

土地所有者が賃貸したいと思うような、借地権物件は立地条件のよいところに、多く位置することが多いです。 一方、建替えや譲渡などの場合は地主の承諾や手数料などが発生します。

所有権ではありませんので、担保価値自体は格安になります。つまり、担保評価が低くなりますので、建物を建てるために金融機関から融資を受けることは、さほど容易ではありません。