CFDとFXの違いにこだわるなら?
暗号資産(仮想通貨)で最近はやりつつある CFD と FX についてその違いをチェックします。 結論から言えば、どちらも大差はなく、FX そのものが CFD の一部というとらえ方で大丈夫です。 しかしながら、その両方を投資手法としている方にとっては、わずかな違いが問題になることもあります。
その点をチェックしておきましょう。
このページではFXという言葉が頻繁に登場しますが、FXと表現した場合と暗号資産FX(仮想通貨FX)と表現した場合は意味が違いますので注意してください。 本ページでは暗号資産FXのことを端折ってFXとは表現していません。FXと表現した場合は、通常の法定通貨の外国為替証拠金取引のことを意味しています。
CFDとは何のこと?
CFDとは、Contract For Difference の頭文字をとったもので、日本語では差金決済取引という定訳があります。
差金決済取引とは、デリバティブ取引の一種で、金融市場における株価指数などで、取引開始時と終了時の価格差により決済が行われる取引です。
端的にいえば、何か商品を売買する際、売買後の差損益額についてのみ、取引を行うことです。 例えば、通常50万円の現物商品(暗号資産・仮想通貨や株式など)を買おうと思ったら、まず手持ち資金50万円ありきで始まりますが、CFDでは投資対象の売買に必要な証拠金(投資対象の1/5~1/20程度で、この例の場合は10万円ほど)を証券会社に収めておけば、50万円の商品を売買できます。
10万円ほど入金すれば、50万円の商品を買えてしまうってことだよ。これは、売り払うことを前提にしているからできるのさ
「せどり」などとも手法が似ていると感じるかもですが、商品の現物を購入する金額が必要ないという点では、根本的に違っています。
FXとは何のこと?
FXは(Foreign Exchange)の略称です。日本語では外国為替証拠金取引という定訳があります。
FXはCFDの一種であり、CFDで扱う数ある銘柄の中の為替に属するものがFXと呼ばれています。
FX会社に証拠金を入金し、その証拠金を担保にして、ドルやユーロといった外国通貨(為替)を交換・売買し、その差益を得ることを目的とした金融商品です。
CFDとFXは、かなり近い仕組み、投資手法だけで言えば同じ仕組みを持つ金融商品です。
CFDの投資対象は何でもあり
CFDの「証拠金を預けて売買を行う」という仕組みは、FX(外国為替証拠金取引)とほぼ同じです。 「ほぼ」というのは、原則同じものだけど、会社によって細かな取り決めが違うことがあるという程度です。
そのため、FXの投資経験があれば、CFDになったところで、違和感なく取引開始できます。
CFDの仕組みは、レバレッジを活用できる点など、主要部分はFXとほぼ同じですが、違いがないわけでもありません。
CFDのFXとの一番大きな違いは、投資対象です。 FXは外国の通貨に投資するのに対し、CFDは国内外の個別株や株価指数、原油や金などの商品、国が発行する債券など、様々なものに投資できます。 投資対象を暗号資産(仮想通貨)を外国の通貨のように扱って「暗号資産FX」や「仮想通貨FX」と名付けていることもあります。
CFDは、VIX指数、株価指数、国内外の個別株、ETF、商品、国債(債券)など投資対象は何でもありです。
CFDとFXの共通点と相違点
CFDとFXの共通点(通常のCFDとFXのことです)と相違点を簡単に表にまとめると、次のように感じになります。
FX | CFD | |
---|---|---|
証拠金を担保に取引可 | ○ | ○ |
平日24時間取引可 | ○ | ○ |
レバレッジ制度 | ○ | ○ |
売りから入る | ○ | ○ |
投資対象 | ドルやユーロなどの外貨 | 株や株価指数、 債券、原油、金など様々なもの |
レバレッジ | 最大25倍 | 最大5~20倍 |
税制 | 分離課税 | 総合課税 |
CFDとFXの共通点は?
CFDとFXの主要部分は共通です。
【共通点Ⅰ】証拠金を担保にして取引できる
CFD・FXとも、取引会社に証拠金を預け入れ、その証拠金を担保にトレードすることになります。そのため、商品(FXでは外貨)の購入に必要な費用を全額用意する必要がありません。
【共通点Ⅱ】平日24時間トレードできる
他の多くの金融商品では、取引時間に制限があるのが普通ですが、CFDとFXは、平日は24時間トレードできます。
ただし、暗号資産CFDの場合は24時間365日いつでもということで、土日も含みます。 一方、FXは外国為替市場をベースとしているため土曜日、日曜日などの休日があります。
【共通点Ⅲ】レバレッジが利用できる
CFD・FXとも証拠金を担保にして取引ができます。 証拠金として預けた以上の商品(FXでは外貨)を購入可能です。
証拠金の何倍もの商品や暗号資産・外貨を売買できる仕組みが「レバレッジ」です。
なお、レバレッジに対しては利用できるだけで、利用しなくても問題ありません(レバレッジ1倍にして運用するなど)。
【共通点Ⅳ】売りから入ることが可能
CFD・FXともに、通常通り相場が上昇すると予想したときは「買い」取引から始めることができるのは当然で、相場が下落すると予想したときは「売り」取引から始めることもできます。
CFDとFXの違う点?
CFDとFXは同じものと考えていいんでしょ?
【相違点Ⅰ】投資対象が違う
重複した内容になりますが、CFDとFXの一番大きな違いは投資対象です。
投資対象 | FX | CFD |
---|---|---|
外国の通貨 | ○ | ○ |
暗号資産(仮想通貨) | ? | ○ |
株 | × | ○ |
株価指数 | × | ○ |
VIX指数 | × | ○ |
国内外の個別株 | × | ○ |
上場投資信託 | × | ○ |
コモディティ上場投資信託 | × | ○ |
上場取引型金融商品 | × | ○ |
商品(一般) | × | ○ |
金・銀・白金・原油・天然ガス・コーン・大豆 | × | ○ |
国債(債券) | × | ○ |
原油 | × | ○ |
何でもあり | × | ○ |
FXで暗号資産(仮想通貨)に投資するのは、狭い意味ではFXの意味とはずれます。
【相違点Ⅱ】取引時間の違い
24時間365日1、土曜日、日曜日などの休日にも取引できるかどうかの違いがあります。
取引時間 | FX | CFD |
---|---|---|
平日24時間取引可 | ○ | ○ |
休日 | × | ○ |
ただし、24時間365日といってもシステムのメインテナンス中は取引できないのが普通です。 メインテナンスは事前に予告されます。
【相違点Ⅲ】レバレッジ倍率
商品 | レバレッジ |
---|---|
暗号資産CFD | 最大2倍 |
暗号資産FX | 最大4倍(移行期措置) |
CFD | 最大5~20倍 |
FX | 最大25倍 |
CFD・FXともにレバレッジをかけて取引できますが、CFDの場合は取り扱い会社や商品により異なります。
暗号資産に関しては、レバレッジが低いと感じる人が多いと思いますが、これは暗号資産のボラリティ(値動きの大きさ)を考慮した、2020年5月に施行の改正金融商品取引法に関する内閣府令(暗号資産は最大2倍)にならったものです。
暗号資産FXと暗号資産CFDのレバレッジを比較したとき、暗号資産FXの方が最大4倍になっていることに気づきますが、これも今後は最大2倍に落ち着くと考えられます。 というのも、(有名どころの)暗号資産CFDは内閣府令施行後から登場してきたため、始めから内閣府令にならっています(暗号資産FXと名乗りにくくなったので、暗号資産CFDと商品名をつけていると考えるとよいかもしれません)。一方、それより前が存在した暗号資産FXは、現在移行期として最大4倍にしているというだけです。
暗号資産CFDは、レバレッジは原則として最大2倍です2。
オマケ【相違点もどき】税制
税制に関しては、儲かった場合でも大損した場合でも投資家に影響する項目です。
暗号資産CFDで発生した利益は「総合課税」の雑所得となります。「総合課税」の税率は所得額が大きくなるほど税率が上がる累進課税で、1年間の所得をほかの所得と合計して所得税が計算されます。
一方、FX取引は「分離課税」となり、一律20%(所得税15%・住民税5%)となります3。
ところが、暗号資産FXとなると、「総合課税」の雑所得となります。
税制 | FX | 暗号資産FX | 暗号資産CFD |
---|---|---|---|
分離課税 | ○ | × | × |
総合課税 | × | ○ | ○ |
雑所得の総合課税のデメリットは控除がなく、他所得と損益通算することができず、翌年への損失の繰越しができないことは頭の片隅にとどめておきましょう。
暗号資産FX・CFDの課税
- 暗号資産FXも暗号資産CFDも「総合課税」の雑所得
【税金】 暗号資産CFDと暗号資産FX
暗号資産CFDと暗号資産FX取引で利益が出ている場合は確定申告が必要になります。
課税方法 | 総合課税(雑所得) |
損益通算 | 貸株金利や配当金相当額等、他の雑所得と通算できる |
税率 | 所得金額に応じ5%~から45%の7段階 |
損失の繰越 | 不可 |
暗号資産CFDの税関係の注意点
- 給与所得や株式の譲渡所得と損益通算することはできない。
- FXや先物取引等の雑所得と、暗号資産CFDの取引損益(雑所得)と通算することはでない
- 税率は給与所得など他の収入との合算額に応じてまる。
- 一定の要件4を満たす場合は確定申告は不要
仮想通貨FXをただのFXとして申告できないの?
できないです
仮想通貨FXをFXとして申告して、申告分離課税の対象にしたいと考える人がするかもしれません。
これは国税庁が明確に(令和元年12月)否定しています。つまり、申告分離課税の対象とはならず、申告分離課税の適用はないと、何度も答えています。
つまり、仮想通貨FXであろうと、仮想通貨CDFであろうと、仮想通貨は「総合課税」で申告する必要があります。
理由ですが、租税特別措置法上、申告分離課税の対象は、金融商品取引法等に基づき行われる①商品先物取引等、②金融商品先物取引等、③カバードワラントの取得となっています。
FXは、金融商品先物取引等に該当するので、申告分離課税の対象となります。 一方、仮想通貨のFX(暗号資産FX)は、これらのいずれの取引にも該当しないので、申告分離課税の適用はありません。適用がない以上、その取引により得た所得については、総合課税の対象になります。
税金に関しては、一応のことを分かったうえで、利益が出ている場合は、専門家に相談することを強くお勧めします。
暗号資産CFDの取引時間
業者のシステムメンテナンスなどのため、取引が中断する場合もある。 ↩暗号資産CFDの最大レバレッジ倍率
今年5月に施行された改正金融商品取引法に関する内閣府令では最大2倍であるが、現時点では移行期間として最大4倍のレバレッジを提供している業者もある。 ↩FX取引の課税
FX取引で発生した利益は、「先物取引に係る雑所得等」として、申告分離課税の対象となる。申告分離課税の税率は一律20%(所得税15%・住民税5%)であるが、2013年1月1日から2037年12月31日までの25年間については、所得税額に対し2.1%の「復興特別所得税」が課される。したがって同期間の税率は一律20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%(15%×2.1%)+住民税5%)となる。 ↩給与収入額が2,000万円以下で、給与所得と退職所得以外の所得が20万円以下であるなど ↩
CFDとFX両方やっている人は注意すべき点があるよ