【入門】競売?そうなるまでに回避せよ!

 (更新) 2 分で読めます

競売って何のこと?

借金をしたものの資金繰りがうまくいかず、ローンを滞納した場合、不動産を売却して返済に充てる方法に「競売」という手段があります。

このことは、ローンを組む場合は理解しておくべき基礎知識です。 このページでは、競売の概要と不動産が競売にかけられるまでの流れをチェックします。 同時に、どうすれば競売を回避できるのかを知りましょう。

競売って何のこと?

不動産投資のみならず、マイホームを購入するときなどには、住宅ローンなどを多くの方が活用します。 この場合、ローンを提供する金融機関は、不動産に抵当権を設定します。 抵当権は、人質の廉価版のようなもので「ローンを返済しない場合は不動産を強制売却し、その売却価格を返済に充てる法的権利です。 強制売却なので、ローンを借りた人の意志などは関係ありません。台風で困っていようが、住所がなくなろうが、強制で行えます。

この抵当権が設定されていれば、それをもとしてに金融機関(もしくはお金を貸した人)が、最低限の手続きで不動産の売却手続きを裁判所へ申し立てることができます。これが「競売」です。

金融機関の方は、「ローンの返済が行わない、すなわち約束を破る債務者には、その不動産を強制売却し、貸したお金を取り返す方法」と考えます。 裁判所は、金融機関からの申立てを受けて機械的に処理するだけで、期間入札という方法で不動産の購入者を決定します。

つまり、不動産のオークションが行われるわけです。

競売になるケース

不動産が競売にかけられるのは、住宅ローンが思いつくところですが、その場合に限りません。実は抵当権が設定されていなくても、競売になるケースもあります。

抵当権など設定していないのに、競売になるケースの例を見てみましょう。

抵当権が無くても不動産競売できる

  • カードローンなどの借金の返済が滞ったとき
  • マンションの管理費を長期にわたって滞納したとき
  • 固定資産税を滞納したとき

カードローンの場合、普通は不動産を担保にしていないと思います。消費者金融からの借金も、抵当権の設定契約など結んでいないことが多いはずです。 しかし、債権者側(お金を貸した会社や人)は、「競売申立」ができます。

忘れてはいけないのは、固定資産税の滞納については、甘くないということです。裁判所ではなく各自治体が不動産を売却します。これは、「公売」といわれる手続きで、競売と比較してスピーディーに売却が進みます。

当たり前ですが、税債権は最強の債券で、証書があるとか、契約していないなどの言い訳は一切通じません。債務があることとそれが発生した日時を根拠に、手続きが行われます。

競売チェック!

  • 抵当権をつけていないからといって、競売されないわけではない

担保不動産競売と強制競売

不動産競売は裁判所に申立ててから行われます。 競売にも2種類の方法があり、「担保不動産競売」と「強制競売」になります。 ここでは、中身に入らず、別のページで再度詳しくチェックします。

任意売却という方法もある

ここまでは、競売についてみてきましたが、実は競売はお金を返そうとする者にとって好ましい方法とは言えません。 株式や暗号資産で言う損切に近いものがあり、不動産の場合は大損して売らなければならないケースはさほど多くはむありません。

ローンなどの返済が滞った結果、不動産を売却して返済に充てる方法は、競売だけではありません。 同様のケースにおいて、金融機関の合意を得て自らの意思で不動産を売却する方法任意売却」もその一つです。

任意ですので、借金を返すために不動産売却するだけですので、通常の不動産売買と変わりありません。 当然ですが、売りたい値段と買いたい値段が折り合わなければ、売却は成立しません。

金融機関によって強制的に売却される競売との違いを以下にまとめました。

項目強制競売任意売却
売却価格市場価格の7割前後市場価格に近い価格で売却できること多し
プライバシー新聞やインターネット上で公開通常の不動産売却と変わらない
残債の返済一括返済になる分割返済にしてもらえる
引越日裁判所からの明渡命令に従う債権者や購入者と交渉し引越日時を決める
所有者の意思所有者の意思は考慮されない所有者の意思で売却することになる

競売のように、投げ売りでもいいから現金化するというわけではないので、ポイントになります。

競売されることになったら、どうする?

競売されることになったら、競売後に、借金額がいくらになるのかを把握しておくことが大切です。

競売は市場価格の7割前後で取引されるのが普通です。それは、債権者としてはなるべく早く現金が入用だから、お得な価格で売り払ってしまうのです。

7割前後で取引されるということ、すでに3割もより割り引かれていれば、競売後も債務が残るのが普通です。 つまり、「競売」されたら、借金がチャラになると想像していた人は、とんでもない間違いを犯していることになります。 結果的には、「競売後」も細々と借金を返し続けることになります。

でも、借金が多額で競売後の生活がなりゆかなくなることも多々あります。その場合は、自己破産という制度を利用することになります。 この制度を利用すれば、残った借金の支払い義務が免除されるため、売却後の返済スケジュールを考える必要はなくなります。

ただし、自己破産が許されるのは条件があり、競売物件などがまだ競売されずに残っている場合には、認められません。そのため、借金が残るにせよ、残らないにせよ、競売後をどうするかかポイントになります。また、何度もその方法は使えないので、過去に自己破産したことがある方は、普通は認められません。

競売はイメージの通り、酷な弁済方法です。残債は一括返済を迫られ、引越代金は別途必要、プライバシーも侵害されるなど、その手続きは決して生ぬるいものではありません。

競売に至らないように、資金計画を立ててローンを滞納しない、万が一のときは任意売却を交渉するなどの努力は怠らないようにしましょう。

債権者としては、債務者にヤケッパチになられて、「競売後に自己破産」されることが一番怖いのです。それをされると、債務者が法的に保護されてしまうからです。

そのため、毎月の返済額を下げてもらうなどの交渉を行い、返済し続ける意志と実行力さえ見せれば、大体の債権者は折れてくれます。

実務的な話ですが、債権者(金融機関など)との交渉は債務者(借金した人)が直接できることはありません。そのため、代理人が必要です。通常は、弁護士、司法書士、会計士、税理士などでしょう。弁護士を雇うと高額になりますが、税理士に頼むと、お金の専門家のわりに安く済ませられることもあります。また、特殊なケースでは行政書士なども可能です。知識として押さえておきましょう。