海外滞在のためのカード準備と海外に少額を送金する方法
外国に少額を送りたいんだけど?
子供や家族が留学や仕事で長期間海外に滞在するケースを想定すれば、国内からの仕送り、送金する術を知っておくことは重要です。
短期滞在者(一年以内)はどの程度の現金を持っていくべきなのか、そしてクレジットカードやデビットカードはどれだけ必要なのかについて徹底チェックします。 特に、お得に外国送金をする方法を解説します。
まず結論です。普通の学生やサラリーマンは「現金で:5万円」に加え「現地のATMで使えるカード:3枚」を確保しておくのが安心です。
カードが3枚に根拠はあるか?
多くのハウツー本でも、海外で生活したり、旅行したりする人は「カードを3枚用意せよ」というのが格言的に記されています。
私の実体験からも、2枚から3枚はあったほうが良いと思います。もちろん1枚目はヒイキにしているカードを常用します。
海外用に、管理できるカードは少ないほうがよい
逆説的ですが、海外ではカードがよく使えなくなるので、手持ちのカードは多いほうが有利です。 例えば、クレジットカードやキャッシュカード(デビッドカード)を海外のATMに突っ込んだだけで、セキュリティシステムが働き、そのカードを一時的に使用停止してしまうことがあります(よくあります)。
特にカード会社間で連携していなければ、他のカードに影響を及ぼさないのが普通なので、手持ちのカードの枚数が多いほど、カードが使用停止になったときに緊急使用できる可能性が上がります。
しかし、トラブルも増えます。ATMにスキミング装置が仕掛けられていたり、疑いがある場合は、そのATMで使用したカード全てに対策を取る必要があります。10枚のカードをそのATMに突っ込んだのなら、10枚分の対策が必要です。具体的には、フリーダイヤルに電話でもして、一時的にカードの利用を停止するか、見張ってもらうようにするなどが必要です。
かといって、一枚しかカードを持っていなくて、ATMに突っ込んだ際にトラブルに巻き込まれたら、そのトラブルを解消するまでの一時しのぎをどうするか考える必要が出てきます。カードを2枚持っていれば、2枚目のカードに一時的ではあれ、助けられることがよくあります。
クレジットカードは使用歴があるものでないと不安
ありがちなケースを紹介します。 クレジットカード会社は、カードを使用してくれる人がマジの客なのであって、カードを持っているだけの人は見込み客かもしれませんが、あまり大切ではない客だと言えます。
そのため、カード会社はカードを定期的に使用している人に対して、サービスが厚くなります。一方で、5年前に作ったカードをいきなり使い始めた場合は、その人の使用歴のデータがないのでセキュリティシステムがうまく働きません。うまく働かないというのは、何でもかんでも「怪しい」と判断して、カードを一時的に使用停止にしてしまうということです。
海外旅行で初めてカードを使う場合は、このことがネックになります。「カードがあるから現金は少なめで大丈夫」と考える人は、注意しなければなりません。特に未成年のカード使用は、徹底的に疑われますので注意してください。
随分昔ですが、若造(20歳ぐらいの学生)と海外旅行した際、彼はカードで海外ATMキャッシングできるから安心だよとと自慢していました。 しかし、実際に英国でやってみるとキャッシングどころか、普通の買い物もできないカードという始末です。 なぜ、こんなことになるかというとカード会社のセキュリティシステムではねられるからです。まず、日本発行で使用歴のないカードをいきなり海外で使うやつは怪しいと判断します。また、学生ごときに海外キャッシングなんて、特別な申し込みがありかつ承認されない限りできないのが普通です。
教訓
- クレジットカードはたっぷり使用歴があるものを準備しよう
学生や旅行者は、まず留学や旅行が決まったら、その渡航費用やホテル利用金をカードで決済しておくことが重要です。 このドがつく基本を守らない輩が多くいます、もちろんKKの用に留学費用をすべてパラリーガル事務所が賄ってれる、殿下が口利きしてくれるような場合は、自分の懐を痛めなくて済むのですが、普通のまっとうな人は自分名義のカードを使いましょう。 親に支払ってもらうとかいうのは、このケースでは止めたほうがいいです。
教訓
- 渡航代金は自分のクレジットカードで支払っておく
カード会社のセキュリティシステム、AIは賢いので、例えば海外航空券をカードで支払っていて、現地の空港でコーヒーでも飲んでいたら、支払いパターンが正常なものとして判断してくれます。 これは、カード年齢が若い人にはとても重要です。カード会社に自分の行動パターンを知らせてやることは、意外と自分を守ることにつながるのです。
使用歴があるカードとは、厳密には定期的に使用歴がないと意味がありません。一回限りで、物品をカードで支払ったような場合は、使用歴としてはあまり値打ちがありません。
そのため、毎月必ず支払わざるをえないような出費はカードで支払うと利用者の信用になります。例えば、電気代、水道代、携帯電話代などです。特に電気代の支払いは、信用力アップになりますので、メインで使用するカードで支払うようにしましょう。以外に大した信用にならないのが、携帯電話代です。理由は今ひとつわかりませんが、どのカード会社も、ドコモやAuの電話代をほカード払いにしても、それほど信用力に貢献しないようです。 また、家賃などをカード払いにしても、これも大した信用にならないとされています。これは、家賃を受け取る大家さんや管理会社が、電力会社ほどの大会社ではないため、さほど信用力に貢献しないとも言われます。 ということは、通勤や通学の定期券代金(JRなどは大会社だから)をカードで支払うと信用力が上がるのかということになりますが、不明です。
何れにせよ、信用力の大小はあれど、カードを定期的に利用しているということは、少なからず信用力は上がります。学生の方は覚えておいて損はないでしょう。
3枚のカードの内訳は
まず、3枚のカードば同じ財布に入れてはいけません。 盗難にあったときに、すべて道連れになるからです。 財布にはカードを一枚だけ入れましょう。海外ではこの癖をつけておかないと、全部盗まれておしまいです。「人を見たらドロボーと思え」というのが、日本以外では常識です。
1枚ずつ別に保持
- 財布に入れておく1枚
- カバンや上着のポケット(パスポート)に入れておく緊急の1枚
- 持ち歩かない金庫の1枚
財布に入れておく1枚は、いつでも使う常用の1枚です。 生活に密着したカードにしておくと便利です。
パスポートやカバンに入れておくカードは、緊急用のカードです。カードの使用実績はある方が安心です。 時々買い物をしたりするときに使うカードで大丈夫です。特にこれと言ったものがない場合は、銀行発行のクレジットカードやデビッドカードをキープしておきます。 いざというときに、航空券などの支払いに当てられるカードが安心です。
長期滞在中、思わぬところで盗難被害にあったりして、スッカラカンでアパートやマンションに戻ってくるようなケースを想定しておく必要があります。滞在先のホテルやマンション、アパートが信用できる場合はパスポート(コピー)とともに保管しておきます。
現金は必ず持ってくこと
米国や英国なら、カード一枚でなんとかなりそうに思いがちですがそんな事はありません。ある程度の年齢で、社会的信用もついた人なら、実はカード一枚でなんとでもなるのですが、10代や20代の留学生程度だと、実際の収入はともかく、支払い時にハネられることがあります。特に英米人からしてアジア人は幼く見えるらしく、ええ歳したオッサンでも衣装次第では、高校生あつかいされることがあります。
支払いしなければならないときに、カードが使えず現金の持ち合わせがないというケース、これが最悪です。現地の人は、現地の電子マネーなどを使いこなしているケースでも、外国人はすぐに利用できないケースがほとんどですので、現金はやはり持ちあわせておく必要があります。
なぜ5万円か?
英国・米国なら、とりあえず5万円を目処に、持っている方が安心です。 アジア諸国なら、1万円ほどあればなんとかなります。 いくら以上あれば安心というのは個人差が大きいです。この例に倣う必要はありませんが、経験上、数万円は必要だと思います。
日本円は世界でも強い通貨ですので、わざわざすべて現地通貨に両替する必要はありません。もしものときのために、持っておくお金です。 一万円は日本円で、残りの4万円は現地通貨に両替してしまって良いでしょう。
5万円ほどあれば、ロンドンでもニューヨークでも、その場しのぎの生活はできます。そのしのぎの間に、なんとかして問題を解決してしまいましょう(最悪の場合は帰国すること)。
5万円の内訳は?
1万円をまず、パスポートに挟み込んでおくのは玄人のテクニックです。 ただ挟み込むだけだと、ずれ落ちたり、途上国の係員(パスポートコントロール)に抜き取られたりしますので、パスポートの未使用スタンプのラストページにホッチキス止めしておきます。 それでも係員に抜かれることがありえますが、そこは自分の注意力で逐次確認するようにしましょう。 私は帰国時に何度か、この保険の一万円に救われたことがあります。
残りの4万円は、現地の小額紙幣に両替します。小銭は使いにくいので、額面の一番低い紙幣に両替します。多少の高額紙幣を混ぜてもいいように思いますが、経験上、最少額紙幣が一番便利です。
海外送金の豆知識
子供が留学しているなどの理由で、日本から送金が必要なケースがあります。 現地で銀行口座を開設し、円高(為替レート)になっているタイミングで送金をすれば、投資的な発想でできるので、少し楽しく得できます。
ゆうちょ銀行などから送金したりする方法がありますが、現在のところ手数料とレートの両面で有利なサービスはWISE(旧TransferWise)です。
他の銀行からも外国送金は可能ですが、銀行手数料が如何ともし難い金額ですので、まずは上のWISEをチェックしてみましょう。
試しに、送金額と送金先国を入力し、手数料を含めた送金額と為替レートの一覧が安い銀行順に表示されます。WISEで日本から外国送金をできるのは最大100万円までになります。
少額送金の場合、経験上、ほとんどの場合、WISEが安くなっています。一度オンラインで口座を開設すれば、その後の送金もオンラインで完結しますので便利です。
海外でクレジットカードは絶対必要か?
実際問題、現金だけでなんとかなることも多いのですが、クレジットカードが持つ信用を虎の威として担ぐことで、えられる信用力は大きくなります。 そもそも、ホテル予約、携帯電話(SIMカード)、レンタカーなどは身分証明書とクレジットカードでないと手続きが迅速にできません。トラブルに遭遇したときも、カードの保険対象なら大損にはならないことが多く、絶対とまではいいませんが、クレジットカードを持っていくことを強くすすめます。
最悪、カード払いしなくても、カードを見せることで信用を与えることができますので、利用価値は大です。また、現在高校生(留学する予定の)などは海外プリペイドカードを作りましょう。デビッドカードなら、身分に関係なく持てます。
まとめ
- 海外滞在用(旅行用)のカードは、航空券などをそのカードで支払ったものがよい
- カードは3枚用意しよう(持ち過ぎはパフォーマンスを下げることがある)
- 海外送金の知識は入れておく
手数料がなぁ