知っておきたいビットコイン アドレスの基礎知識
ビットコインの送金はどうやるのでしょうか? 早期の際に必要となるのがビットコインアドレスです。 ビットコインのアドレスは口座番号のようなものですが、銀行の口座番号よりずっと柔軟で、活用が簡単なものでもあります。ここでは、アドレスの基礎をチェックします。
予習ポイント
- ビットコインアドレスとは、銀行口座の口座番号のようなもの
- ビットコインアドレスから公開鍵、公開鍵から秘密鍵を特定することはできない
- 同じ公開鍵から複数のビットコインアドレスが作れる
ビットコインにアドレス???
ビットコイン アドレスの基礎知識
銀行に口座を開けば、口座番号が得られます。口座番号が分かれば、その口座あてに送金することができます。
例として「1YszQ1bfTqRgNQJ2a6Fxqhj2p4RQ1Ee8u9」がアドレスだよ
ビットコインアドレスとは、銀行口座の口座番号のような役割を果たします。 ビットコインを送金する際は、ビットコインアドレスあてに送金します。
ビットコインアドレスは1または3の数字から始まる、27~34文字の英数字で構成された英数字です。 英数字 Base58 フォーマットで選ばれ、アルファベットの大文字のアイ、小文字のエルと数字の1のような、人がタイプミスしやすい文字は除かれています。
一般的には1から始まるのが通常のビットコインアドレスで、3から始まるのはよりセキュリティが高いマルチシグアドレスです。国内の取引所にハッキング事件が話題になったころを境に、マルチシグアドレスを利用する法人が増えてきています。
公開鍵・秘密鍵との違い
秘密鍵から公開鍵が作られ、公開鍵からビットコインアドレスが作られます。しかし、ビットコインアドレスから公開鍵を推測したり、公開鍵から秘密鍵を推定や特定することはできません。
秘密鍵はランダムに生成されます。2の256乗通りの数字の中から選ばれます。最大78桁の数字の中から選ぶことになります。取引所の場合は、秘密鍵の管理は取引所が行うのが普通です。「秘密鍵を知っている」ということは、そのビットコインを自由に処分できるという意味なので、決して他人に渡ってはいけないものです。
2256 = 115,792,089,237,316,195,423,570,985,008,687,907,853,269,984,665,640,564,039,457,584,007,913,129,639,936 (78 桁)
秘密鍵から生成される公開鍵は、ネットワーク上で公開するのが普通です。公開鍵を秘密にする意味は全くありません。公開鍵から秘密鍵を推定したり特定したりはするのは不可能で、公開鍵が誰に渡っても、自分のビットコインを盗まれることはありません。
送金が行われる際は、送金内容を秘密鍵で暗号化した文書が送られます。 暗号文書は、その秘密鍵に対応する公開鍵でしか解読(復号化)できません。 公開鍵で解読できない場合は、ビットコインの正当な所有者からの送金ではないという扱いになり、送金処理は実行されません。
ビットコイン アドレスの作り方概要
ビットコインアドレスは、特殊な計算を行うことで公開鍵を利用しやすい文字列に作り直したものです。
具体的な鍵とアドレスの作成は、ただ単に計算を行うだけですが、途中で文字変換などを含むため、ソフトウェア(アプリケーション)上で行うのが普通です。ソフトウェア上の処理は、以下の通りです。
秘密鍵がまだない場合(初めて作る場合)は、乱数を発生させ、秘密鍵をまず作ります。 秘密鍵からハッシュ関数を使い公開鍵を生成します。 公開鍵をハッシュ関数で処理し、Base58 フォーマットで、文字数字で表されるビットコインアドレスを作ります。
ハッシュ関数は一方向にしか計算できない関数(逆関数や逆行列といった都合のよい検算はできない)なので、出した計算結果から元々の値(秘密鍵の値)を求めることはできません。
気になるのは、上でハッシュ関数を複数回使用している点ですが、問題ありません。
ビットコイン アドレスの使い方
ビットコインアドレスは、銀行の口座番号のように他者に公開して利用します。 主にビットコインを送金や受けとる際に使います。
ビットコインアドレスを誰かに教えても、そのアドレスのビットコインを盗まれることはありません。 むしろ、積極的に公開することを目的としたアドレスになります。
間違ったビットコイン アドレスに送金したらどうなる?
ビットコインを間違ったアドレスに送金してしまった場合、存在し得ないアドレスにあてた場合ならば、送金処理は行われません。
システム上、「送金完了」と表示されても、実際に送金は行われません。 通常は宛先不明で、送金元のウォレットに戻されます。
ただし、例外的に存在するアドレスに間違えて送金してしまったら、その送金は正常に行われてしまいます。 例えば次のようなケースは、送金は正常に行われたけど、単にビットコインをドブに捨てただけとなります。
- 普通に存在するアドレスに間違えて送金した
- 秘密鍵を失くしたアドレスに送金した
普通に存在するアドレスに間違えて送金した場合は、相手次第では返金に応じてくれることがありえますが、受け取り相手は日本語や英語がわからない外国人である場合もあります。また、政治形態の異なる外国関係組織ということもあり得ます。 通常は、この手の送金は寄付をしたのと同様で、戻っては来ません。送金取り消しという操作はありえません(システム上不可能です)。
秘密鍵が失われたアドレスに送金した場合は、そのアドレスの残高が増えるだけで、そのビットコインは永遠に失われるのと同様です。
間違ったアドレスに送金しないために
- 入力せずに、アドレスをコピペ、もしくはQRコードを読み取る
- 少額をテスト送金し、受取確認してから、再度同じアドレスに送金する
- よく使うアドレスを登録しておく
このような方法を採ることで、間違ったアドレスに送金することを防げます。
ビットコイン アドレスから過去の送金履歴がわかる
ビットコインの取り引きは全て記録され、ネット上に記録されていきます。 トランザクション(1つの取り引き単位)をまとめたものがブロックで、ブロックが連なったものを、ブロックチェーンと読んでいます。
そのチェーンには、全ての記録が残されているので、自分が行った送金履歴を確認することができます。
ビットコイン アドレスは変わることがあるの?
アドレスは変わることがあるの?
当たり前のようにあるよ
ビットコインアドレスは公開鍵から作られ、同じ公開鍵から複数のアドレスを作ることができます。 ウォレットによっては、毎回表示されるビットコインアドレスが異なるものもありますが、まったく問題ありません。
毎回別のビットコインアドレスに送られても、元の公開鍵が同じものなら、同じウォレットに入金されることになります。
ビットコインの送金履歴は、誰でも見ることができます。つまり、同じビットコインアドレスを使い続けていれば、プライバシーが筒抜けになってしまいます。
そのため、ビットコインアドレスが変わることは問題なく、わざと頻繁に変更することもよく行われます。
ビットコイン アドレスは検索・追跡できるの?
アドレスは検索・追跡できるの?
できるよ
送金履歴は全て記録され、誰でも見ることができます。
1度でも送金したことがある相手のビットコインアドレスは、有効かどうかも含めて分かるため、取引内容はわかります。ビットコインの保有情報やその他の情報が洩れることもあり得ます。 ビットコインアドレスを変更すれば、匿名性もある程度確保できますが、換金の時まで完全に匿名というわけにはいきません。 言い換えれば、換金はしない、ビットコインアドレスは毎回変えるという、愉快犯的なことをする場合なら、匿名性、トレーサビリティを無意味化できるかもしれません。
ビットコイン アドレスまとめ
ビットコイン アドレスまとめ
- 取引の信用が担保できる
- アドレスから過去のすべての送金履歴を検索可能
- 間違ったアドレスに送金したら、取り戻せないのが普通
ビットコインアドレスは、1文字でも間違えればトラブル(損失)を招きかねないという危険さがあります。ビットコインを送金する際は、アドレスの間違いに注意するとともに、ビジネス用途では顧客の間違いを誘発しないようなサービスづくりが課題となっています。
このアドレスは通帳の口座番号のようなものだよ