私の失敗事例で考える、積立投資のデメリット5つ!知らないと損です!!

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投資

銀行に預けるくらいなら、積立投資に回す方が儲かる

「積立投資に興味はある人、必見です」積み立ては手軽に増やせるというメリットばかり宣伝されますが、デメリットはないのでしょうか。

もちろん、積立投資にも負の側面(デメリット、リスク)が存在します。

積立投資はやらない方がいい?

そうでもない。失敗しなければ大きな資産を形成できる定番手法だよ

予習ポイント

  1. 積立投資で儲けそこなうマイナス面を知る
  2. 積立投資の失敗ケースをチェック
  3. 積立投資が有効なケースをチェック

〔私の失敗①〕無理な積立金額を設定し、続けられず早期解約

積立投資は何にも考えず、毎月一定額を投資することで、気が付くころには「小金持ちに」なるものだと理解していた、まだ青かった頃の話です。

当時は、まだネットでシミュレーションという便利なものがなく、直接銀行に出向いてお話を聞くことしました。毎月「1万円」程度を考えていた私でしたが、銀行の担当者がプリントアウトした投資金額シミュレーションを眺めていると、その金額だと年間で牛丼も買えない程度の利息です。

手堅さ」と「そこそこの利益」を狙っていたので、金額ベースのシミュレーションを相談しているうちに、私の心は、

毎月15万円程度は投資に回さないとまともな金額にならない・・・

と固まってきます。

結局、毎月の実入りから必要最低限の金額を引いて残り「月16万円」をすべて積立に回すことにしました。 銀行の担当者に、毎月の実入りも増えていくと自分勝手にシミュレーションし、しかもその結果を押しつけ、バカ丸出しのシミュレーション結果をもらって、ほくほく満足して生活を続けておりました。

当然ですが、もともとのシミュレーションに無理があるので、最終的にこの積立は挫折することになります。

家族の生活費と介護費、身の回りに起こる細かい出費、まして交通事故に巻き込まれたり、予定外のことも起きてしまいました。すぐに、積立どころではなくなってしまいました。 最低でも15年は続けるつもりにしていたので、途中でやめてしまうことには抵抗を感じ、他の満期を迎えた定期預金などで補いつつも、意地で数年続けていました。

結局、5年目に入ったら、さすがに「もう無理」と、ギブアップ。 すべての積立投資を解約することになりました。

5年しか継続しなかった積立投資に利益などほとんどありません。皆が儲けているとき儲けそこない、皆がお金を使っているときに、節約しただけで、メリットとしては「お金を浪費で失わなかったこと」ぐらいです。

積立投資のシミュレーションを行うときは、プラス面は無視して「マイナス面」を重点的にシミュレーションする方が現実的です。人それぞれですが、結婚介護出産教育費事故住宅ローン、などなどいざというときの出費など、今後発生しうるコストについて予想して、積立金額を決めるべきです。 数年は積立そのものに無風という生活状態を続けることが可能でしたが、長期スパンで考えると無理が祟ってきます。

もし、剰余資金がまだ余るのであれば、次の投資先を考えればよいだけです。積立投資一本釣りなどは、愚かで思考停止のなれの果てなのかとも考えたことがあります。

積立投資で資産を作るには、10年単位の長期で続けることが大前提です。

教訓① 毎月の積立金は、相当の余裕がある積立金額にするべし

〔私の失敗②〕値下がり時に慌てて売ってしまう

今はなくなってしまいましたが、株式市場が沸いていた時に某所の「日本株アクティブ」という投資信託がありました。同名のファンドはそこら中が作っていましたか、私が買ったのは著名投資ファンドマネージャー(日本人)が運用するものでした。

購入当時はファンドの運用残高も十分にあり、上昇相場で実績も出ていたのですが、ファンド名のとおり、価格が乱高下するギャンブル的な投資信託でもあります。元本保証はないことを、購入時にいやというほど説明されていたので、しかも、ヤバくなたら「売り払ってしまうのがいいですよ」担当者が説明するという、今思えばなぜこれが「積立投資」になるのかと思うような、欠点だらけのファンドでした。

すぐに下落相場に入り、運用実績が悪くなります。まだアオかった私は、積立投資をよく理解していなかったため、ここで耐えるという発想がありませんでした。日を置いて、相場をチェックしますが否定的な専門家の意見ばかり目立ち、ひたすら下がり続ける圧迫感から逃れることができませんでした。

このまま積立を続けても、マイナスが膨らむだけ・・・

1年半を過ぎたころ、その投資信託をすべて売却しました。トータルでは、損はしていませんが、前半で得した分は後半で失い、そこから手数料を引くと巷の定期預金で運用しても変わらない程度でした。

今考えればの話ですが、下落相場でしっかり積立て継続していれば、総じて株価は戻しているので、15~20年の期間でみると確実に資産を増やせていたことがわかります。

多くの積立投資は、長期間続けることで結果的に元本割れする可能性が低くなります。

途中で売却して積立投資をやめてしまうと「積立投資の本来のうまみ」が実感できません。金融商品の価格は上がったり下がったりしますが、相場は常に変動するのが当たり前です。 変動している価格は、長期で均せば上昇していて、短期的に暴落した場面だけにこだわりすぎるのは積立においては得策ではありません(崩壊するような場面を除く)。

下落相場に入ると「下がっていては積立てる意味がない。損する前に売ってしまおう」と考えがちですが、持ち続ければ得られたはずの運用益を失うのも損失です。

積立投資をやめたくなったときには「積立投資は長期で運用してこそ利益が得られる」傾向があることを思い出してください。「本当にやめるべきタイミングなのか」、慎重に見極めることが大切です。

教訓➁ 下落相場での積立こそが、長期的に意味をなすと心するべし

慌てる乞食はもらいが少ないのです。

〔私の失敗③〕営業に勧められて安易に購入して放置

私のみならず、「儲かる」という言葉に弱いのが小金稼ぎの性質です。 多少の疑いを抱こうとも、「銀行員が言うのだから」、「エリート証券マンがいうのだから」というような低レベルの理由づけではなく、自分が気に入った商品については、購入する理由として都合の良い理由を引っ張ってくる性質があります。

積立投資は、大原則として長期的に継続することで着実な利益がもたらされます。 長期運用ゆえに、あまりアタマを使う必要はなく、必要なのは辛抱我慢の方だといえます。 ところが、ギャンブル性の高い商品(投機的商品)でこの鉄則が崩れることがあります。

私の場合は、金融商品営業担当者と注目するファンドマネージャーが同じという点で意気投合し、○○氏がマネージャーやってるファンドは、こちらの「□□□□ファンド」積立商品もありますよと勧められ、ノリで購入しました。

当時の私は、手堅く利益を出せ、高いリターンが欲しいという、論理的に破綻した欲望を抱いていて、途上国の株式を集めたファンドに手を出していました。長期的に見れば発展するので、確実に利益をもたらすと、勝手に論理を端折っていたからです。もちろん、利益を出せるかどうかは、ファンドの中身、この場合はどの途上国のどの株式を組み入れているか次第です。

私は○○氏がファンドマネージャーをやっているという、無意味な安心感で放置していたら、数年で大きな損失を出しファンドは解散しました。後で調べれば、○○氏は早々に他の会社に引き抜かれ、マネージャーが代わっていたり、後釜に座ったマネージャーは、さらにギャンブル性の高い人だったりと、判断材料は山ほどあったわけです。 これは、私の経験の中でもそれほど多くない、元本割れを起こしたケースです。

教訓➂ヤバイな金融商品の場合、早急に見直し、損失を最小限におさえるべし

当時の私は投資の知識は微々たるもので、「プロの銀行家や投資がが進すすめるなら・・・」で判断する程度の素人と同然です。大金は持っていなかったので、カモられることはありませんでしたが、それでも資金を失う衝撃は軽いものではありません。

ド素人の時に、自動積立の申込みをしたまま放置した積立投資には要注意です。 単に、販売会社(実際はほとんど銀行)が儲けたい商品を積極的にすすめてくることが多いのです。 ファンドそのものは儲かっていたとしても、手数料がバカ高ければ、購入者の儲けには反映されません。 まかりなりにも、ファンドの運用成績が悪い場合は、気付いたとき(10年以上後)には、大きな損失が出ていることもありえます。

以下の教訓も、心に刻んでおくべきでしょう。

教訓➂´ 営業担当者は、手数料が高い商品を勧めたり、自分の営業成績に反映されやすい商品を勧めがち

でも積立投資にはメリットもある

積立投資なんてダメだな……

ポイントをおさえて積み立て投資すれば、資産づくりの強い味方だよ

ずっと昔ですが、郵便局に100万円を3年定期で10年置けば200万円超えになってくるという時代がありました(年利8%)。今の年利とはケタが違うわけで、同じことをしてもお金はまったく増えません。下手したら郵便局に向かうまでのガソリン代や交通費で利息が吹っ飛んでしまいます。

そんな預貯金をコツコツするより、投資で少しは増やしていきましょうという場合、やはり手堅くしんみり増える積立投資は、悪くない選択です。

<積立投資にある3つのメリット>

  1. 分散投資がリスクを軽減する
  2. 預貯金より高いリターンが見込める
  3. 長期的な資産形成がしやすい

タイミングを分けて投資するからリスクが減る

「相場次第では一括投資より損失が大きくなる」というリスクについて先ほど述べました。 しかし、長期的に見れば、積立投資を続けることにより、リスクを軽減させることができます。

ポイント

  • 分散投資は投資時期をわざとバラバラにして、利ザヤを稼ぐ

積立投資は「投資タイミングを分散する」タイプの分散投資です。「リスクは分散させた方が低くなる」ことは感覚として理解できると思いますが、もう少し具体的に見てみましょう。

価格が高いときは少なく購入、価格が安いときは多く購入するのが積立投資です。結果、平均的な購入単価は安くなる傾向にあるのです。

預貯金より高いリターンが見込める

今現在は、超低金利です。 銀行の定期預金の金利は年率0.01%〜0.2%程度です。銀行に資産を預け続けても、増えることは期待できません。銀行預金は貯金箱としての役割しか果たしません。

積立投資のリスク対策

  • 投資タイミングを分ける(分散する)
  • 金融商品も分ける(分散する)

一方、積立投資には元本割れリスクはあります。しかし、積立で投資時期を分散しつつ金融商品も分散すれば、リスクを軽減しながら預貯金よりも高い配当(利益)が期待できます。

長期的な資産形成がしやすい

積立投資は「長期的な資産形成」を目的とするなら最適な方法のひとつです。 理由として、以下が挙げられます。

積立投資が楽にできる理由

  • 自動引き落としで、手軽に継続できること
  • 買うタイミングを考える手間が省けること
  • 継続するほど運用益が大きくなりやすいこと

長期的な資産形成の意味合いは、「子どもの教育費」や「老後資金」などがあります。 10年単位で考えて、将来に必要になる資産形成に適した方法です。

積立投資と一括投資を簡単に比較してみる

 元本割れリスクリターン
積立投資ある(小)普通
一括投資ある(大)大きい

仮想通貨に積立投資をする場合は、リスクさえ甘受すれば、仮想通貨価格の値動き幅が大きいことから、リターンは一括投資より少なくなるにしても、金額面では他の金融商品より大きく化ける可能性があります。

積立投資がおすすめな人・おすすめではない人

最後に、積立投資がおすすめな人・おすすめではない人について、お伝えしておきましょう。自分の状況と照らし合わせて、確認してみてください。

<積立投資がおすすめな人>

  • 預貯金より高利率がいい、でも一括投資リスクは嫌
  • 10年単位で資産形成を続けたい
  • 低リスクな運用で口座に眠る預貯金を活用したい
  • 老後の資金をつくりたい

積立投資を行う上では、資金と心の余裕が必要です。 すでにある程度の現金預貯金があり、次のステップへ進みたい人には、積立投資はおすすめです。

<積立投資がおすすめではない人>

  • まとまった現金預貯金がない
  • 長期的な運用を行う精神力が心配
  • 投資スキルがあり、一括投資で運用益を出せる
  • 元本割れリスクは受け入れられない

長期的な運用をしっかりチェックし続けるには、性格的に向き不向きがあります。 たとえば、下降相場の時に我慢あれるか、不安をコントロールできるか、そもそも一喜一憂型で短気であるなどの場合は、うまく積立投資を続けられない可能性もあります。 (例外的にいったん投資したら放置型の性格の人は、結果的にうまくいくことがあります)

一方、まとまった預貯金がない人は、積立投資をスタートする前に現金を貯めるところから始めましょう。一般的な目安は「300〜500万円(または給与の6ヶ月分〜12ヶ月分)」です 。

リアルタイムに相場を見ながら一括投資で運用益を出す自信がある人なら、パフォーマンスの劣る長期的な積立投資を行う必要はありません。

一括投資と比べれば低リスクとはいえ、積立投資で元本割れするリスクはあります。 「元本割れは絶対にダメ」という人も、積立投資は手を出さない方が安心です。元本割れがどうしても嫌なら、元本保証のある財形貯蓄や定期預金を検討しましょう。

積立投資の金融商品を仮想通貨にすることを考える

仮想通貨(暗号資産)は、インターネット上に存在する、国家が管理しない資産です。

国家が管理しない資産は通貨になりえるのかという根本的命題はあるのですが、その真偽はさておき、誰もが信用し流通すれば、資産にはなりえます。これは「インターネットのドメイン名」が莫大な金額で取引されたりするのと同じことです。

仮想通貨の値動きは途上国の株式などより激しく、面白みがあることは間違いありませんが、元本割れのリスクは確実に現実的にあります。

そのため、ある程度の投資リスクを受け入れることができない人は、手を出さない方が心臓のためにも良いと思います。 一方、リスクを受け入れ、普通のギャンブルよりもっと知的に長期戦略をほぼ手堅く戦いたい方は、試してみる価値はあります。ただし、ヤバいと感じたら、抜けましょう。

まとめ

<積立投資のデメリット>

  1. 右肩上がりの相場では不利になる
  2. 資産形成に時間がかかる
  3. 見直しせず放置しがちになる
  4. 元本割れリスクがある
  5. 手数料がかかる

<積立投資のメリット>

  1. 分散投資がリスクを軽減する
  2. 預貯金より高いリターンが見込める
  3. 長期的な資産形成がしやすい