ビットコインのマイニングのしくみを復習!

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ビットコイン(BTC)マイニング

ビットコイン取引を行う人は、ビットコイン1の仕組みを理解しておけば、投資判断が有効に行えます。 ビットコインの新規発行は、相場に影響を少なからず与えるため、特に関係の深いマイニングについては、詳しく知っておくに越したことはありません。

ここでは、ビットコインのマイニングのしくみとその報酬について、最新情報を踏まえて復習してみます。(本記事は、逐次アップデートされます。)

ビットコインって何ですか?

ビットコインって何ですか?

P2Pの電子決済システムを使った、インターネット上で利用できるお金のことだよ

マイニングを理解するにあたっては、代表的な仮想通貨であるビットコインをチェックするのが早道です。 ビットコインは、P2P(Peer to Peer)の電子決済システムで世界で初めて誕生した仮想通貨として有名ですね。

ビットコインを代表とする仮想通貨は、インターネット上で利用できる通貨で、コインや紙幣などの実態がないという特徴があります。実態がない分、ネット上で簡単に送金できる点などがメリットです。

取引のデータはブロックに格納される

ビットコインに代表される仮想通貨の取引データは、一定期間を一塊として収納されていきます。その塊のことをブロックと呼んでいます。このブロックは、時系列でつながり、チェーン状に伸び続けていくことが特徴です。 ただし、ブロック内の取引データの正当性が確認されないと、ブロックはつながらないことになっています。そしてブロックが連なったものは、ブロックチェーンと呼ばれています。

チェーンにはどのくらいの期間データが残るの?

台帳が誕生してから今の瞬間までのデータが残り続けます

いわゆる電子台帳なのですが、台帳が生まれてから現在の瞬間までの、すべての取引が記録されている台帳です。例えば、ビットコインでは2009年1月3日以降のすべての取引が記録されていて、いつでもその中身を検証することができます。

ブロックチェーンは壊れない?

ブロックチェーンでもデータは消えるの?

データは世界中の無数のPCで分散して保存されるので、
全世界同時停電でもしない限り安全だとされているよ

ほとんどの仮想通貨システムは、ブロックチェーンを採用していて、その維持の根幹になっています。仮想通貨取引のデータは、このブロックチェーン技術に利用して、改ざんが限りなく不可能な状態を保持しつつ記録され続けます。

現在の銀行のシステムのように、中央ですべてのデータを管理するのではなく、世界中のPCに複製、分散して、細切れにデータを保存して運用します。そのため、その中の一部に不都合が起きたとしても、データは壊れることはなく、しかもシステムは動き続けます。これが、P2Pの電子決済システムの特徴です。

中央でデータを管理するシステムの場合、データに不整合が起きたりした場合は、バックアップから復元等を行うため、一時的にシステムが停止したりすることがあります。また、バックアップサーバなどに不備が起きた場合などは、データを喪失する可能性もあります。

ハッシュ関数と取引検証検算の関係は?

ハッシュ(hash)とは、「細切れ寄せ集め」という意味です。

このハッシュ関数というのは、「①入力する」、計算する、「➁結果を見る」という順番でしか機能せず、「結果」からどのような値が「入力」されたかということを推測できません。 入力してその計算結果を出すこと自体は、スマホであっても型遅れのPCであっても瞬時に計算できます。 ところが、どのような「結果(出力)」が欲しいから、そのような計算結果になる「入力値」を探ることは至極難解です。

ビットコインでは、入力値(取引データ+ノンス値)をハッシュして、その計算結果のハッシュ値が小さいもの(頭にゼロが続く数値)になる必要があり、この結果になるノンス値は逆算できません。

そのため、ひたすら総当たりで入力して、ハッシュ関数にかけて値を出す、「結果」がほしいものかどうかチェックするという作業を行います。世界で一番最初に正当なノンス値(一度だけ使用される数字のこと)にたどり着く計算を正確に終えたら、その新しいブロックがブロックチェーンの最後に追加されます。

追加されたブロックは、後々改ざんされていないかもチェックされ続けます(ハッシュ計算され続けます)。

具体的には、ノンス値をひたすらハッシュ関数にかけて、頭にゼロが並ぶハッシュ値が得られた場合、そのノンス値が正解ということになります。検証作業は終了となり、そのブロックは、過去のブロックとつながりブロックチェーンが伸びます。

データ改ざんは本当に不可能なのか?

ホントにデータを改ざんできないの?

理屈の上ではできるかも、でも現実的ではないよ

ブロックチェーンでは、現在のブロックに含まれているひとつ前のブロックのハッシュ値を常にチェックします。 ここで、ブロックが不正に書き換えられていれば(たとえ一文字でも書き換えられれば)、ブロックの前後でハッシュ値が一致しません。 このような一致しないケースが起こると、自動的に自分を除いた他のノード(PCなどの計算機)の半分以上で使われているブロックを正しいとみなして、修正します。

理屈の上では、半分以上のノードをなにがしかの方法で乗っ取り、同時に不正なハッシュデータを含むブロックを保持させれば、改ざんデータが正規のブロックとして認定されます。 問題はそれが、現実にあり得るかどうかです。ネットワークを遮断して、独自の新しいネットワーク(イントラネットなど)を構築し、その中で半数以上のノードに不正データを飲み込ませれば、そのネットワークの中では、不正ブロックを正規ブロックとして流通させることが可能です。 しかし、いざ取引をしようと、いわゆるインターネットにつないだ瞬間、明らかに不正ブロックVS正規ブロックの流通量で正規ブロックが勝りますので、結果的には不正ブロックは駆逐されます。

厳密に言うと、上の不正ネットワークで造成した不正ブロックでつなげたブロックチェーンは、インターネットで正規ブロックで繋がったブロックチェーンより短いと考えられます。そもそもインターネットと切り離した環境の場合、そこでチェーンの枝分かれが起きているはずです。 そのような、枝分かれ(分岐)がある場合、一番長いチェーンを正規のブロックチェーンとして採用します。したがって、上の例の不正なブロックチェーンは、枝を別れした部分からバッサリ切り取られて捨てられてしまいます。

ビットコインの管理者は誰なの?

ビットコインは誰が管理しているの?

インターネット同様、管理者はいないよ

ビットコインは、マイニングにより取引の正当性を確保しつつ、ビットコインの新規発行を行う通貨システムです。 取引検証はマイナー(マイニングの参加者)によって行われ、マイニングによって正当なハッシュ値が確認されます。

ブロックチェーンは誰でも、マイニング結果が正しいかどうかを簡単に見分けられます。それは、入力値をハッシュ関数にかけてその結果(出力)をチェックするだけだからです(計算作業は一回のみだから簡単です)。 そのため、どなたかの権威者にお墨付きを与えてもらう必要はありません。

ビットコインが新たに生まれる(新規発行が行われる)のは、マイニングの報酬を支払うときだけです。 マイニングは、一定期間の取引データをまとめて生成されたブロックの量に比例して行われます。 ということは、ビットコインの発行量は、あらかじめプログラムで定まっているということになります。 つまり、中央銀行のように、通貨の新規発行を判断する中央管理者を必要とせず、その中で稼働するのが、ビットコインをはじめとするブロックチェーンを利用したシステム(P2P)の特徴です。

ビットコインは、円やドルなどの法定通貨とは異なり、国家の中央銀行などにあたる管理者が存在しない通貨だということを意識的に覚えておきましょう。

ビットコインは永遠に発行されるのか?

ビットコインは発行され続けるの?

流通は永遠かもしれないけれど、発行には限界量があります

ビットコインは、マイニングによって新規発行されます。1つのブロックを取引検証(マイニング)するとその時の一定量のビットコインが発行されます。

マイニングを続ければ、ビットコインは永遠に新規発行され続けるように思いがちです。でもそうではありません。

ビットコインは発行上限は2100万BTCで頭打ち!

ビットコインの総発行量はあらかじめ2100万BTC(ビットコインの単位)と規定されています。 1回のマイニングによる新規発行量は、一定ブロック処理量ごとに半減するルールがあります。 現在では、新規発行量を減らしつつ上限に近づき、2140年ごろに新規発行は上限に達して停止されると見られています。

なぜ半分にするの?2割減とかでいいでしょ?

プログラム処理の問題で、2で割るのが処理的に一番軽いためだと思います。あくまでもルール上そうなっているだけです。

総発行量に上限が設けられている理由は、通貨発行量をコントロールする中央銀行のようなものがないためです。 通貨の量がむやみやたらと増えてしまうと(例えば、PCの処理速度が劇的に向上するなどで、マイニングのペースがあがると)、物品に対して通貨価値は相対的に下がります。

インフレ発生防止ってこと?

そのとおり!このおかげで、新規のビットコインだらけにならないわけさ

法定通貨の場合、中央銀行が緩和政策をとり、通貨発行量を増やして景気回復を目指すことができます。通貨量の管理に失敗すれば、インフレが生じますが、この時も中央銀行が介入し、金融政策等を通じ、通貨量をコントロールできます(成功するか失敗するかは別問題です)。

ところが、ビットコインなどの仮想通貨の場合は、中央銀行という「通貨の番人」が存在しません。そのため、あらかじめインフレを起こさないための防止策をとっておく必要があるわけです。 そのため、総発行量に上限が設けらています。 通貨発行量の上限儲けられ、その発行ペースもプログラムで管理されているため、過度にインフレならないといえます。

マイニング以外でビットコインを手に入れる方法は?

マイニングなしでビットコインが欲しいのだ

ビットコインを手に入れる方法は何もマイニングだけはありません。

ビットコインを手に入れる方法は?

  1. 仮想通貨取引所で購入
  2. 何か商品(サービス)を売ってビットコインで支払ってもらう
  3. 人と交換(送金など)で手に入れる

マイニングよりも購入するほうがお得かも!

現在のところ、自分だけが他者よりも優れすぎた計算機を独占できるような特殊な環境にでもない限り、ビットコインのマイニングは割に合わないものです。 何よりも、電気代とエアコン代の負担に耐え切れないはずです。

素直に取引所で買うことにするよ

今のところ、購入して値動きを読んで売買する方が利口だよ

  1. Bitcoin/BTC(ビットコイン)